振り払わなくちゃならないこの惑星の大気を

真夏のデリーのような熱風が僕にはつらすぎるから

僕のひょろっとした放熱板ではもうこの廃熱を抑えきれないから

できれば君を連れてゆきたいけれど 

今となっては無理な相談さ

振り切らなくちゃならないこの惑星の重力を

僕にはきつすぎるしがらみだから

山奥の共同体の不文律みたいに僕を縛りつけてくるから

ともだちやこいびとやかぞく

君たちと離れるのは寂しいけど

できれば君たちとは別れたくなかったけれど

ああてんでだめな未練だ

ここに来て僕も君もとんだめそめそ野郎だ

なにしろ行きたくなくても行かなくてはならないんだ

なら行くさ行こう

お別れだいとおしい人もいとおしくない人もひっくるめ

地球生命よ君たちにはずいぶん世話になったなあ

生まれた大地そのやさしいくろ土を強く蹴って飛び立とう

僕の持ちうる宇宙速度のすべてをそのためにつぎ込んでやる

激しくおのが全存在を射出してやれ

月よ僕を二度とつれ戻すな

太陽よこの星系のくびきから僕をのがしてくれ

加速して

加速しろ

どこまでも遠く僕の内なる銀河へ

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA