イリンクス

あらすじ

地球から遙か遠くの深宇宙の水の惑星。分厚い氷に閉ざされた深海域に棲息する環形動物の少女は、ある日機械の少年を拾う。〈文明の羹〉を名乗る人工知能の少年は異邦の海底世界に地球の知識を広めようとするが……。繁殖の円環から逸脱した者たちの理と感動をめぐるナラタージュ。

本文

 ……ねえ、僕の声が聞こえる?
 もし聞こえるなら僕の話を聞いて欲しい。
 孵化から三度目の繁殖期を迎えても、亦青【もあお】の交尾相手は見つからなかった。君たち人類からすれば珍しくもないだろうけど、これは僕たちイリンクスにとってはきわめてまれな事態なんだ。
 僕たちの集落は惑星〈玻瓈〉の夜の側に位置する。この星の夜は海面から水深数千メートルまで分厚い氷の層に被われているけど、僕らの棲む深海には液体の水が存在している。海底にある無数の熱水噴出孔から湧き上がる熱湯が、水温の低下を防いでくれているんだ。
 僕らの食事は熱い海水に含まれる硫黄分だ。僕らの消化器官に付着しているバクテリアが硫化水素を分解し、宿主である僕らのための栄養を作りだしてくれる。僕らはその栄養を摂取して、海水がぐつぐつ煮える海底の揺籃で数十年から数百年かけて少しずつ筒状の体を伸ばしてゆく。
 体の節が七つになって、ものを自在に掴めるくらい触手が発達すると、はれて僕らはおとなとして認められる。熱水噴出孔のチムニーから養嚢がしぜんとちぎれて、全身を収縮させて自由に泳ぎまわれるようになる。
 そうして一人前に成長したイリンクスは、成人した次の間氷期を迎える頃には繁殖を行う。凹体も凸体も生殖器が充血して肥大化する。
 君たち人類と違い、僕らは交尾相手を好みでは選ばない。性成熟した個体は新月の晩、全身を紅く発光させて求婚シグナルを送る。何千何万ものイリンクスたちが海中を舞い、めまぐるしく光の会話をやり取りする様はさながら深海の舞踏会だ。このネットワークに加われば、たがいの健康状態から群れへの貢献度、遺伝子の近似度、産卵タイプなどが瞬時に伝わる。
 適齢を迎えた亦青はこの繁殖の輪に二度参加したが、伴侶となるべき凸体を得られなかった。これは僕らイリンクスにとってはおよそ考えられない異常事態だ。
 すべての繁殖個体は相互参照され、それぞれが相応しい相手とマッチングされる。甚だしい栄養失調や群れの共益を損ねる言動があれば、そもそも繁殖ネットワークから阻害される。でも亦青の性器は魅力的に紅く膨らんでいたし、どの凸体も亦青の生体情報を参照したはずだ。
 なのについに亦青はどの凸体とも結ばれなかった。
 つがいとなるのを断念した亦青は群れの斥候として頭角をあらわした。通常、繁殖中の凹体は子育てにエネルギーを消耗するため、コロニーからほとんど離れることなく一生を終えるのだが、独身の亦青は若い体をもてあまし気味だった。
そこで彼女は他のイリンクスたちが近寄らない〈玻瓈〉の昼へと足を伸ばした。
 玻瓈は自転と公転の周期がおなじなので、夜と昼とでがらりと環境が異なる。夜に生きる僕らは昼の海を好まない。四六時中太陽光の降りそそぐ海は水温が高すぎるし、鮫や鱶などの獰猛な鰐歯類がうようよしているから、たいていのイリンクスは怖がって近づこうとすらしない。
 でも亦青は別だ。群れのなかでも際だって勇敢な彼女は、肉食魚の追跡を振り切って未知の海域を縦横無尽に泳ぎまわった。

 ある日、亦青は奇妙な漂流物をコロニーへ持ち帰った。
それは金属製の手足を生やした物体だった。表面のふじつぼを?がし、関節の隙間に棲みつくゴカイやイソメを追いだすと、中から燐光を放つ奇妙な少年の姿があらわれた。
亦青、そいつはなんだ?
仲間のイリンクスが珍しく好奇心を抱き質問した。
ルシフェリン反応をきめ細やかに制御することで光のパターンを生みだし、そのパターンを組み合わせることで会話を行う。光の会話は君たち人類のようなとろっちい声の会話と違い、水中でも瞬時に互いの意思が伝わるんだ。
……わからないわ、と亦青が頭部を捻る。遠征の途中で拾ったの。
そいつはどうするんだ?
さあね、と亦青は胴体へ首を引っこめる。
ねえ亦青、そいつ光ってるね。
そうよ、これ光るの。面白いでしょ。
年若いイリンクスが金属の少年を触手で叩くと、人形の瞳が燐光を発した。
わ、反応した。へんてこだ。
へんてこだ、と人形が真似をする。
人形は周囲のイリンクスの光のパターンを読みとって模倣する。意味を理解しての行動ではなく、環境からの刺激に対してレスポンスを返すようプログラミングされているのだ。でも亦青も彼らもそんなことは知らない。
やだあ、真似しないで!
私、真似、きみ、だれ?
人形は光のパターンを学習し、その意味を推察して尋ねてきた。それが通じると、正しい発信をしたと認識し、語彙を増やしながら学習を深めてゆく。
イリンクスたちはしばらく人形の話し相手をして遊んだが、すぐに興味をうしない自分のチムニーへと引っこんだ。イリンクスの習性で何事に対しても興味が持続しないんだ。
亦青は頭部を胴体へ引っこめると、カタコトの人形をつれて帰宅した。亦青もこの拾いものに興味があったが、数週間にわたる長旅で疲れていて、今は一刻もはやく熱水噴出孔の熱湯を浴びて寛ぎたかった。

 遠征から帰ると半年から一年はコロニーで体を休める。その間は集落周辺のパトロールをして過ごすのが亦青の日課だ。
 集落を一周して戻ってくると海底火山から沸きあがる熱湯を浴びる。全身の触手をだらりとして湯の流れに身を委ねて光の明滅で唄を口ずさんだ。
 君たちイリンクスはふしぎな生き物だね。食事をまったくとらないなんて。
 お湯を浴びればみたされるのよ。
 知ってるよ。君たちの体内に棲みついたバクテリアが生存に必要なエネルギーを生産してるんだ。僕が気になるのはその進化のあり方だよ。君たちほどの高度な知的生命が、バクテリアの余剰生産物程度のわずかなエネルギーでどうやってそこまで進化できたんだい?
 さあね。
食糧の乏しい深海で、君たちがどうやってこんにちの文明を築き上げたのか、じつに興味深いね。好奇心がそそられるよ。
おまえはつくづく変わってるわね。
亦青は退化した豆粒大の瞳でじろっと睨んだ。
拾ってきた当初は猿まねしかしなかった人形が、みるみる光のコミュニケーションに習熟し、僕らと対等に言葉を交わすまでに成長した。
君たち人類が送りこんだこの人形は、みずからを〈チャウダー〉と呼称した。チャウダーという名前は、彼が生まれた文明のスープからとられたという。
おまえみたいなのが、どうしてこんなへんぴな海底へ流れ着いたのかしら。
へんぴだからこそだよ。僕らは〈文明の羹〉プロジェクトの探索機なんだ。僕たちの創造者である人類は、地球が滅びる際に人類文明が消滅するのを防ぐため、地球文明の粋を集めた人工知能を搭載した自律人形を遠くの星へ播種した。
僕たち〈文明の羹〉の探索機は、知的生命が存在する可能性のある惑星をめざして、気の遠くなるような時間をかけて宇宙を旅してきたんだ。この星はハビタブル惑星ではないと思われたけど、活溌な火山活動が認められたから、その分厚い氷の下には液体の水が存在すると考えられた。
そこで僕は兄弟機の〈ブイヨン〉や〈雲呑〉と一緒にこのケプラー133kへと派遣されたんだ。
仲間はどうなったの?
……残念ながら消息はわからない。旅の途中で僚機からの信号はすべて途絶えてしまった。たぶん不慮の事故でここまで飛んでこられなかったんだと思う。恒星間飛行には危険がつきものだからね。
じゃああんたはひとりぼっちなのね。
不本意ながらね。
なんだか私と似てる。
どうして? 君は仲間に恵まれてる。
それはどうかな。私は、みんなとは違うから。
亦青は物憂く海底にひしめくウミユリの群生へ体をうずめた。細長い筒状の体をウミユリの棘皮が心地よく引っかく。有機物の乏しい深海では、僕らの老廃物でさえ貴重な栄養源なのだ。
ねえ亦青、君はつがいの凸体を探さないの?
探したわよ。相手が見つからないの。
おかしいな。君たちは群れのマッチング要請に従い伴侶を得るんだろ。だったら君に相応しい凸体がしぜんと導きだされるんじゃないの?
さあね。私にきかれても困る。
ふーん。ま、生物の多くは交尾相手を探すのに苦労するものだからね。君のような事例はイリンクスにおいては特殊でも、他の生物なら珍しくない話だ。僕らの産みの親たる人類も、結婚したくてもできない個体が増加して、それで衰退しちゃったんだよ。
哀しい話ね。
亦青はうわの空で海底の空である分厚い氷の天井を眺める。
……そろそろ寝るわ。あんたは寝ないの?
機械は眠らないんだ。君がめざめるまでに、ほかのイリンクスたちにも会ってみるよ。話を聞くに君は特殊事例のようだから、ほかの一般的なイリンクスからも話を聞く必要があるからね。
お好きにどうぞ。
亦青は目をとじて頭部を胴体へ沈めると、チムニーの壁に触手を絡めて体が流れださないよう固定した。そしてうとうと微睡みだした。

〈チャウダー〉は集落の各コロニーを渡り歩いた。なるべくたくさんのイリンクスと接触することで、僕らという種族への理解を深めようとしたんだ。
でも対話の大半は不首尾に終わった。亦青と違って普通のイリンクスは外界からの来訪者に対してなんら興味も関心も示さなかった。〈チャウダー〉が熱心に尋ねてもひと言ふた言答えるくらいで、なおもしつこく食い下がると鼻白んでどこかへ泳ぎ去ってしまう。
そうしたなかで唯一、亦青の産みの親である長老の黄頤【きい】のみが〈チャウダー〉の質問に答えてくれた。
あの子は生まれたての頃から変わってたね。あの子ときたらろくに触手も生え揃わないうちからコロニーを這いまわってたよ。
黄頤が触手をそやした。
たいてい、そんな変わり種はおとなになる前に死ぬんだ。
なるほどね。過酷な深海での生活では、過度な好奇心は身を滅ぼす。だから好奇心の薄い個体が適者生存する。たしかに生命としては正しい選択肢だ。でも知的生命としてはどうだろうか。
はあ、と黄頤が怪訝に首をかしげる。
地球生まれの内田百閒という作家がね、あるとき芸術院の会員として推薦されたんだ。地球ではそれは素晴らしく名誉なことなんだけど、偏屈な百閒はこともあろうにその推薦を蹴ってしまったんだ。


 芸術院ト云フ会ニ這入ルノガイヤナノデス
 ナゼイヤカ
 気ガ進マナイカラ
 ナゼ気ガ進マナイカ
 イヤダカラ


こんな人を小馬鹿にした一文をしたためて周囲をけむに巻いた。
嫌なものは嫌という気持ちに理屈なんてない。感情というのは価値観の問題だから、論理で導きだせるものじゃない。たぶん亦青も百閒先生とおなじで、決定論的な世間の在りように反発したんだ。融通の利かないイリンクスの生命再生産デザインに未婚という〈遊び〉の幅を求めた。これが僕の仮説。
なんだか知らないが、あんたもよほどの物好きだね。
もちろんそうさ。僕ら〈文明の羹〉は、まさしく知識文化のスープとなって地球外生命に僕らの旨みエキスを届けるのが使命なんだから。
でも果たして文化とは何だろう? ある学者は文化を知識や芸術、獲得した能力や習慣などの複合的な総体であると定義した。こうしたコングロマリットとしての文化は、知的生命の好奇心が原動力となって発展するから、君たちイリンクスの盲従的自動的な進化体系とは相性が悪いのかもしれない。多様性とは複数の価値観のせめぎ合いや相剋によって育まれるからね。
その点、君たちの文明はスマートだけど、衝突が起こらない分、発展の歩みは遅くならざるを得ない。もちろん亦青のような例外が存在する以上、まったく文明開化の芽がないわけじゃない。でも地球文化を広めるという僕のミッションはきっと著しく困難を極めるだろうな。ああ、前途多難だ!
〈チャウダー〉はみずからの演説にうっとりとしたが、黄頤はとうの昔に飽きてしまい、あさっての方向へ泳ぎ去ってしまった。〈チャウダー〉は内心落胆したものの、気をとりなおしみずからの使命を果たすべく活動を再開した。

 気がかりな夢からめざめると、亦青はふらつきながらチムニーの寝床から離れた。猛烈に腹が減っている。本来なら眠っている最中も体内のバクテリアが活動しているのだが、どうやら地底の熱水の湧出量が減ってしまったらしく、十分に栄養をとることができなかったのだ。
 湯量の多い噴出孔へ潜って湯浴みしていると、岩の窪みでうちひしがれた様子で転がっている〈チャウダー〉を発見した。
 あんだどうしたの。そんな汚泥まみれになって。
 ああ亦青。目ざめたんだね。
 〈チャウダー〉は光の信号の長さでため息を表現する。
亦青が眠ったあと、彼は集落の各コロニーを訪れてはチムニーで眠る他のイリンクスを引っ張り出し、彼の生まれ故郷である地球の文化を広めようと試みた。政治や宗教、生物学だの哲学だの物理学だのと、それこそ百科事典よろしくぺらぺらとまくし立てた。
だが彼の無駄話に耳をかたむけるイリンクスなどいない。自分たちの問題でさえ関心の薄い僕らが、何万光年も離れた惑星の文化なんてニッチな話題に関心を持てるはずがない。
それでも〈チャウダー〉はイエズス会的な熱心さで布教活動に邁進した。なにしろ彼はそのために生まれたのだ。みずからの使命をまっとうするべく来る日も来る日も各地のコロニーに足しげく通い、地球人類の足跡をこの地へ刻みこむべく辻説法をしてまわった。
だが奮闘努力の甲斐もなく涙の陽は落ちて、月日は無情にも流れた。当初は無関心だったイリンクスたちも、あまりにしつこくつきまとわれるので、しだいに〈チャウダー〉を煙たがるようになった。一度などは交尾中のイリンクスのつがいを引きはがして哲学における自由意志の問題について語りだしたため、激昂した凸体に触手で羽交い締めにされ、深海鮫の泳ぐ海域へ放りだされた。
哀れ〈チャウダー〉は万力のような鮫のあごに噛みつかれ、這々の体で逃げだした。外殻の金属が固いおかげでかろうじて電子部品の破損は免れたものの、頭部が鮫の歯のかたちに凹んで二度と戻らなくなった。
こうした徒労を重ね、さしもの〈チャウダー〉も万策尽きて意気阻喪し、失意のどん底で海底の汚泥に埋もれていたのだった。
まったく君たちときたら! 誰ひとりとして僕の話に興味を示さない。
〈チャウダー〉は憤ると、急にしおらしく態度を変え、
でも亦青、君は違う。君は僕の唯一の理解者だ。孤高の伝道者である僕の唯一の信徒だ。ね、そうだよね?
鬼気迫る〈チャウダー〉の懇願に思わず後ずさる。気乗りしなかったが〈チャウダー〉をイリンクス集落へつれてきてしまったのは亦青自身だ。その負い目もあるし、体内のバクテリア叢が回復するまで時間もかかる。その間、この不遇のAIの話し相手をしてやることにした。

 ……亦青! 起きて、起きてってば!
 舟をこぐ亦青に〈チャウダー〉が苛立った声をあげる。
 だが亦青がうとうと微睡んでしまうのも無理からぬ話だった。なにしろこのぽんこつときたら『中世イングランドの紋章学の発展の系譜』などというテーマでかれこれ8時間近くも講釈を垂れ流しているのだ。
 ノルマン征服がなんちゃらとか、あんたの話はぜんぜんつまんないの。もっと面白い話をしなくちゃ誰もあんたの話なんて聴かないわ。
 なるほど、面白い話か。君の意見は一理ある。
 〈チャウダー〉は目から鱗が落ちた様子で少し考えると、
 なら趣向をかえてタロとジロについて語ろう。感動的な逸話なら、君のような学のない生物でも眠くならないで聞いてられるだろうから。
 そう言うとチャウダーは日本の南極観測の歴史について語りはじめた。初代観測船宗谷と、隊に随伴した忠実な樺太犬たち。極地という過酷な環境下での命がけの任務。撤収の際、基地へ犬を置き去りにせざるをえなかった観測隊員たちの悲痛な胸のうち。餓えと寒さに苦しみ一匹また一匹と痩せ衰え死んでゆく仲間。タロとジロの兄弟犬は仲間の死をのり越え、極寒の大地を逞しく生き延びる。アザラシを狩って餓えを凌ぎ、身を寄せあい吹雪をやり過ごす。
……そうして長い南極の冬を生きのびたタロとジロは、翌年ふたたび基地を訪れた越冬隊員によって救出され、無事日本へ帰還した。十五頭のそり犬のなかで、タロとジロだけが生きて祖国の土を踏むことができたんだ。この兄弟犬の雄姿は多くの日本人に感動をもたらしたと伝えられている。
え、ええ……
亦青の異変に〈チャウダー〉が気づく。
どうしたの亦青? 声がうわずってるよ。顔も紅いし。
なんだか体がヘンなの。胴体の奥がじーんとして。
それは感動というやつだね。動物をめぐる物語は古今東西多くの人類に好んで消費されてきた。君たちの感受性も、どこか人類と似通った部分があるのかもしれないね。
そうなのかしら。
亦青はぽうっとした様子で触手を動かし、下半身をまさぐる。
細長い胴体の中心部に懈怠な感覚があった。生殖器の周囲が熱を帯びて紅く膨れ、疼くような奇妙な予感が波頭となってうち寄せてくる。体内をメタン湧水が通り抜けるときの快感に少し似ている。
犬たちを見捨てざるを得なかった越冬隊員の悲しみ。飼い主に見捨てられた犬たちの不安や恐怖。そしてひと冬を生き延びたタロとジロがふたたび飼い主に再会したときのはち切れんばかりの喜びを想像する。そのたびに亦青の生殖器は熱をはらみ、狂おしくうねるような情動となって秘奥を切なく焼くのだった。
んっ…ふぁ……
亦青の全身がうっすらと燐光を帯びる。
亦青、やっぱり変じゃない?
〈チャウダー〉は戸惑いながらも、気をとりなおして次の物語を話した。タロジロが好感触だったからには、同系統で攻めるのがいいだろうと判断し、忠犬ハチ公をめぐる感動のエピソードを披瀝した。
大学教授である上野英三郎と、彼に可愛がられた秋田犬ハチのたおやかな愛情。だが穏やかな暮らしは、ある日突然上野が帰らぬ人となって終わりを告げる。上野が亡くなったあとも、ハチは主人を迎えに毎日渋谷駅の前で帰りを待ち続けた。雨の日も風の日も、いつか必ず愛する主人が電車を降りて現れるのを信じて。
亡き主人を慕う忠犬の健気な姿は日本全国に感動を与え、忠犬ハチ公は銅像となって渋谷駅の前へ鎮座し、地球文明の終焉まで人びとに愛されたのだった。
ああ、ハチ、結局ご主人様には会えなかったのね……
ハチの報われぬ愛のひたむきさを想像した瞬間、亦青の胴体が激しく蛇行し痙攣した。充血した生殖器は血管の脈動がわかるほどに浮き上がって、中から凸体のペニスを迎え入れるための湿潤液がとめどなく漏れだし、白くとろみのあるもやとなって海中に漂いだした。
んっ…? くうぅッ……あああッ!(ハート)
亦青が官能的な声をもらした。全身の青い血液が沸騰し、混乱した光の嬌声をでたらめに発射しながら触手を自分の体に巻きつけて身をよじる。
亦青、もしかしてイったの?
……イク?
絶頂。いわゆるアクメだね。性的快感の緊張と緩和の落差によって生じる心身の解脱状態だよ。
なんだか怖かった。頭の中がぐるぐるして、くらくらして、鮫に追いまわされてるみたいにどきどきした。お腹の中が柔らかいイソギンチャクみたくなって、触れると頭の中が気持ちよさで爆発するの……
戸惑いながら告白する。亦青が強烈な性欲にのまれてエクスタシーを感じたのは、これが初めてだった。いや、じつはイリンクスの長い歴史の中で、彼女こそが最初に自慰による刺激で達した個体だったんだ。
まさか君がオナニー未経験者だったとは。
ああなるほどわかってきたぞ、と〈チャウダー〉が合点する。君たちはひとつひとつの固体が相互参照してひとつの生命叢として機能している。完全に最適化された性交渉においては快楽は必要ない。固体がパートナーに優劣をつける必要がないんだから、セックスによる快楽は淘汰圧で消えてもおかしくないんだ。
絶頂、凄くよかった……
亦青はいまだ興奮さめやらぬ様子で、とろとろの生殖器を未練がましく触手で弄っている。性の悦びに目ざめたばかりの亦青は、早くも次の刺激が欲しくて我慢がならない。
よし、じゃあ次は真打ち登場といこうか、と勿体ぶって前置きすると、〈チャウダー〉は内部のホロストレージから児童文学の古典的名作のアーカイブを探しだした。
泣ける名作のてっぱん『フランダースの犬』だよ。
薄暗い岩礁の壁面に十九世紀ベルギーの農村の風景がプロジェクションマッピングとして投影されると、亦青は食い入るように見つめた。居住まいをただし、息を殺して食い入る。精通した少年が初めてポルノを鑑賞するときのような、期待と緊張がない交ぜになった精悍な面持ちだ。
貧しいながらも純真な少年ネロと、ネロを慕う労働犬パトラッシュの心のふれあいは、それだけでもう亦青の性感帯にびんびん来るらしく、途中何度か軽イキした様子だ。だがこの『フランダースの犬』は全五十二話からなる大長編作品だ。イキすぎると息切れしてしまう。
じらしプレイを憶えた亦青は、イキたい気持ちを我慢し、分泌液をしとど垂らしながら全話視聴へと邁進する。物語が後半に差しかかり、ネロが世間から不条理な仕打ちを受けて追い詰められる段になると、水溶き片栗粉のような特濃の愛液が充血した生殖器から噴出され、周囲の海水が白濁した。水質に敏感な深海棲オキアミが、亦青の愛液に絡めとられて次つぎと窒息死した。
そして物語はクライマックスへと突入した。凍えるような寒空のなか、失意のネロとパトラッシュが大聖堂へとたどり着き、ルーベンスの絵画の前で抱き合いながら穏やかに息絶える。身罷った彼らを、天使がやさしく天へと連れてゆく。
その感動的なシーンを目撃したとたん、亦青の溜めに溜めこんだ性欲が連鎖爆発を引き起こした。
あっ…ああッ! らめらめイクイクイグッ(ハート)
イケッ! イッちゃえ亦青!
来てるぎてるっ! ……んぎっ! おっほおおおおおおぉッ(ハート)
亦青は退化した瞳にハートマークを浮かべると、はしたなくアヘ顔をさらして錯綜する光の嬌声を全方位へと撒き散らした。
イッぐうぅうううううううううッ!(ハート)
刹那、亦青の胴体が弓のつるのようにしなると、充血した性器の割れ目から一等濃い粘液がどびゅるるっと音を立てて噴きだした。それによってもやはコロニー全体へ広まってさらに多くの気の毒なオキアミがえらを塞がれ窒息死した。
亦青は歓喜と恍惚がない交ぜになった渦の中へどこまでも無限落下した。まさしく天へ召される少年と犬に感情移入し、彼女自身も昇天したのだ。

 地球産の感動話は、亦青の生活を一変させた。
 遠征計画などそっちのけで毎晩〈チャウダー〉にお話をせがんでは異星の文化による感動的な快楽に性器をぬらした。
 最初のうちは『ごんぎつね』や『幸福な王子』などの動物をテーマにした比較的単純な物語を好んだが、亦青の文化理解度が深まるにつれ、その対象は飛躍的に増大した。『スタンド・バイ・ミー』や『フォレスト・ガンプ』などのヒューマンドラマから、杉浦千畝やシンドラーによるユダヤ人救出活動、ガンジーのインド独立運動やアメリカ公民権運動などでもオナれるまでに成長した。フィクションノンフィクションの分け隔てなくあらゆる感動を貪欲にオカズとしてとりいれ、みずからのエクスタシーの糧とした。
 とてもいい傾向だ。君は僕の物語を貪欲に吸収している。もう僕が語るまでもなく想像力のみでオナニーできるんじゃないかな?
 どうかしら。
 オナニストとしての才覚をあらわした亦青を〈チャウダー〉は誇らしく見つめる。
 本来、オナニーとは性交渉の相手なしで自分を慰める代替行為だからね。僕無しでスタンドアロンオナニーできてこそ、正しい自家発電のあり方なんだ。だから君もどんどんオナネタを蓄え、僕が壊れてしまっても自在にシコれるよう備えておくべきなんだよ。
 だめよ。そんな哀しいこと言わないで。
 〈チャウダー〉の金属の筐体を触手で抱きしめる。今の亦青にとって、〈チャウダー〉はさながらポルノ動画満載のストレージそのものだ。そのデータが消失してしまったら二度と立ち直れない。いつか訪れる彼との別れを想像すると、心臓がずきんと痛んだ。

 こうしてマスターベーションマスターとなった亦青は、快楽の伝道師として他のイリンクスたちにも広めることにした。文化としてオナニーを広めてしまえば、たとえ〈チャウダー〉が機能停止したあとでも、自慰の文化は残るはずだ。
 好奇心に乏しいイリンクスたちも、気持ちよくなれるとなれば話は別だ。亦青が抜きどころを厳選した極上の感動話は、たちまち光の会話で伝播し共有され、イリンクス集落の至るところで一大オナニームーブメントが巻き起こった。誰もが交尾などそっちのけで自慰に耽りだしたのだ。オナニーの快楽に比べると交尾などまるで楽しみのない無味乾燥な行為だったため、つがいを維持するのを放棄する個体があとを絶たない。当然、本来膣内へ放たれるはずだった精が無為に費やされるため、出生率の劇的な低下をひき起こした。
 この事実は、集落全体に少なくない衝撃を与えた。若くて生殖力旺盛な個体がオナニーに熱中しつつある傾向があると判明すると、年配のイリンクスたちは難色を示した。亦青が自慰文化を広めれば広めるほど「健全な」交尾を行うイリンクスの数が減ることになる。
 長老の黄頤は自慰を控え交尾を奨励したが、一度オナニー中毒となった者たちをとめるほどの力はなかった。群れ全体の利益で自動的に交尾相手が決まるセックスに比べたら、自分で好みのオカズを選べるオナニーの方が魅力的だった。
 彼らは〈チャウダー〉や亦青から手に入れたオカズを何度も反芻しては自?に耽る。だが、すぐに知っている物語だけでは飽き足らなくなって、未知のオカズを求める。そこに好奇心の芽吹く余地があった。代替可能な部品でしかなく、単純な遺伝子の乗り物だった彼らは、シコることで「個」を獲得しつつあったのだ。
 エロスの力は偉大だね。地球の初期インターネットも、もっぱらエロパワーによって発展したと言われているからね。
 〈チャウダー〉は満足げにつぶやく。〈文明の羹〉である彼の使命は、滅んでしまった地球文化を広めることだ。野蛮人フライデーを躾けるロビンソン・クルーソー的な愉悦を感じたとしてもふしぎではない。その白人酋長的な振る舞いは、パターナリズム批判の観点からは問題視されてしかるべきだが、彼の行為が僕らイリンクスの蒙を啓いたのは紛れもない事実だ。

 自慰文化が浸透するにつれ、亦青は象徴的な存在へと祭り上げられるようになった。オナニームーブメントの立役者たる彼女は、集落のアイドルとして熱狂的な信者を獲得した。
 地球の感動話を網羅しているのは〈チャウダー〉だが、その長話を聴く忍耐力があるのは亦青だけだ。〈チャウダー〉の長話を要約し、整理してシコりやすくしてくれるキュレーターの亦青が崇敬されるのは当然のなり行きだった。
 なんだかおかしな話になってきたわね。私はただ自分が気持ちよくオナれれば良かったのだけど。あんたの話を広めるなんて、まるで巫女さんみたいね。
 あながち間違いでもないさ。初期インターネットの世界では、ウェブ上にスケベコンテンツを無断アップロードするものを〈神〉と讃えた。であるなら君たちにオカズを与える僕は深海の神も同然だし、神のお告げを伝える君は深海の巫覡と呼ぶに相応しい。
 思い上がってるわね。今に痛い目を見るわよ。
 亦青は呆れながらも、ぬるぬるの陰部を清める。このところ、オナネタ探しの仕事に忙殺され性器の乾く暇がないのだ。
 なんだかくたびれちゃったわ。
 しばらく休んだら。少し働き過ぎだよ。
 わかってる。でも期待されてるんだもの。
 そのときだ。岩礁の陰からイソギンチャクで顔を隠した複数のイリンクスたちが飛びだしてきた。襲撃者たちはイカをひっぱたいて煙幕を張ると、亦青と〈チャウダー〉をとり囲んだ。
 亦青はオナニー仲間たちにSOSを発信したが、光の会話も煙幕によって減衰しまるで届かない。
 何するの! 嫌よやめて!
 亦青と〈チャウダー〉は海藻で手足や触手を縛られると、そのままイリンクス集落の外へと運び去られてしまった。

 気がつくと集落からさらに深い場所にある海域だった。
 亦青は全身を縛られ、発光体には隈なく粘着性の汚泥が塗られている。〈チャウダー〉などは体内に仕込んだギミックで脱走されるのを警戒し、強靱な昆布でぐるぐる巻きにされミイラも同然だった。皮肉にも深海の王を気取った彼は、深海のファラオとして埋葬されつつあったのだ。
 どうしてこんなこと。
 汚泥の隙間から漏れる微弱な光で〈チャウダー〉と会話する。
 僕らの活動が群れの共益を損ねたからだろうね。君たちイリンクスは自我が薄く、つねに同一の価値観を共有することでこんにちの繁栄を築いた。そうした社会においては、君のようなオピニオンは目障りなのさ。
 あんた、こうなるのを予想してたのね。
 薄々はね。でもたとえ迫害されたって僕はめげない。
 ……最低。
 智慧の林檎を食べるよう唆す蛇の役目は誰だって嫌なものさ。でもね、そのおかげで君たちは人類の叡智を手にしたんだ。君たちはもっと進化できる。もっと高見を目指せる。君たちはもう裸のイリンクスじゃない。一度でも物語の快楽に心を淫した者は、その身に芽吹いた好奇心をとめられない。
 と、襲撃者の一体がイソギンチャクの覆面を脱ぎ捨てた。群れの長老である黄頤が険しい表情で娘を見下ろしている。
 母さん!
 黄頤は亦青の呼びかけを無視し、配下のイリンクスたちに指示して〈チャウダー〉の体に魚肉を巻きつけた。深海魚をミンチにした肉襦袢をまとってぶくぶくのチャウダーは、深海鮫の遊泳する危険な水域へと蹴りだされた。
 母さん、こんなむごいことはやめて!
 そのがらくたに居座られると迷惑なんだよ。そいつは危険だ。
 でも私はもう自慰を学んでしまった。定番オナネタもたくさん憶えているし、オナニー大好きな若い仲間もたくさんいる。今さら〈チャウダー〉を壊したって手遅れよ。
 手遅れ? たしかにね。でも供給源であるこいつを始末すればじき記憶も薄れるだろうさ。たとえ今の世代は無理でも、月日が経てば必ず風化する。厄災の芽を摘むに遅すぎることはない。
 そんな……
 魚肉のにおいに誘われどこからともなく巨大な深海鮫が近づいてくる。以前〈チャウダー〉を襲ったやつの五倍はある超巨大鮫だ。
 鮫はやめて! 鮫は苦手なんだよお!
 囓られたトラウマを刺激され〈チャウダー〉が命乞いをしたが、救いの手をさしのべる者はない。巨大鮫は獲物をめざとく捕らえると、その金属製の筐体へ噛みついた。外宇宙を旅してきた強靱な外殻も、鮫の凄まじいあごの力の前にはひとたまりもない。めきめきと嫌な音を立てて亀裂が生じ、気泡が立った。
 ああ……
 〈チャウダー〉が真っ二つに噛みちぎられる、まさにその瞬間、亦青は拘束を振りほどき果敢に鮫の目の前へ飛びだした。
 こっちよ! そんな固いのはやめて私をお食べ!
 亦青が弧を描くように遊泳して巨大鮫を挑発する。
 固くて食べづらい餌に痺れをきらした鮫は、ぼろぼろの〈チャウダー〉を吐き捨てると目の前のご馳走めがけて泳ぎだした。亦青は得意の早泳ぎで鮫を引きつけるも、オナニー漬けの生活で体はひどくなまったままで、全盛期の半分の力も出せない。たちまち追いつかれ、腹部をひと噛みされてしまった。
 ちぎれた体を触手で抑えながら、どうにか鮫の届かない岩礁の隙間へ身を寄せるものの、青黒い血が細くたなびき、凶暴化した鮫は立ち去ろうとしない。
 おまえたち、早く亦青を救出なさい!
 黄頤が鋭く命じると、目の前の惨劇に呆気にとられていたイリンクスたちが慌てて動きだした。二枚貝をギロのように摺り合わせて音を鳴らし、鮫の苦手な周波数の音を立てて追い払う。
 ただちに亦青が救出されたが、腹部を半分近くもえぐられて虫の息だ。大量失血によって皮ふは青ざめ、萎えた触手は力なく海流に流されるままだ。退化した瞳は光を失い暗く濁りはじめ、命の炎が尽きつつあるのを静かに知らしめている。
 なんて愚かな娘だ。
 母さん…ごめんなさい…でも……こうするしか。
 亦青は残された力を振り絞って、萎えた触手で〈チャウダー〉の体へ触れた。
 良かった。まだ壊れてない。
 亦青、どうして僕なんかのためにあんな無茶したんだ!
 そんな顔しないで。もうじき私、泡になるの。死ぬって怖いと思ってたけど、ふしぎね、今はそんなに怖くない……
 そう言うと亦青は最後の光を放ち、死にゆく自分の姿を発信した。
 そのメッセージを受け取った黄頤の部下たちは感動のあまりその場で絶頂死し、性器から精液を撒き散らしつつ慟哭した。そして黄頤の制止を無視して集落全体へ亦青の最後の物語を発信した。
 たちまち深海中から感動の声が寄せられた。海で生きる僕らは涙を流さないが、その瞬間彼らは間違いなく心で泣いた。死にゆく少女を想い、泣きじゃくりながら性器をしごき倒したのだ。
 亦青の訃報に接した各地のコロニーでは、号泣とあえぎ声が混じり合った悲痛な叫びが連日連夜やまなかった。おびただしい量の愛液と精液が垂れ流され、惑星玻瓈上空の海は何万ものイリンクスたちの欲望が巨大な雲となって大規模な海洋汚染を引き起こし、大量のプランクトンが死んだ。その死骸は雨となって降り注ぎ、亦青の死を悼む涙雨としていつまでも降りやまなかった。

 こうして亦青の伝説は幕を閉じた。AIの少年を、その身を挺して救った少女の献身は、かつてないほどの感動と極上のエクスタシーをもたらした。それは地球からの借り物ではない、僕らイリンクスのイリンクスによるイリンクスのための感動ポルノだった。
 ……ふう。
 話ながら何度か抜いてしまったから、ここまで語るのにえらく時間がかかってしまった。でも、どうにか語り終えることができてほっとした。僕の長話につきあってくれてありがとう。これが君たちにとってどれくらい興味深い話かはわからないけど、少しでも好奇心を刺激できたのならこれに勝る喜びはない。
 亦青が伝説のオナペットとして神格化されたのち、強い好奇心を持って生まれる個体が急激に増加した。〈チャウダー〉は彼らを教え導き、その全機能が停止するまでの数十年間、地球文化について語った。
 その大半は感動ポルノとして享楽的に消費されたが、時代がくだるにつれてそれらの感動話を学術的な観点から論じる者があらわれはじめた。大衆娯楽だった浮世絵が、のちの世で美術品として評価されるようにね。これら考地球学の発展について語るには、残念ながら記憶媒体の容量が尽きつつある。こちらは稿をあらため、別のホロストレージに吹きこむ予定だ。
 そう、薄々気づいているかもしれないが、僕もそうした物好きのひとりだ。
 僕は黄頤の末裔で、亦青は僕のご先祖様にあたる。玻瓈の汽水域に存在するしがない二流大学の比較文化学を専攻する大学院生だ。この録音はゼミでの卒業制作の一環としてアクティブSETIの素材に組みこまれ、君たち人類の移住先の惑星の座標へと送信される予定だ。
 願わくば、地球人類の末裔にして後継たる君たちが、このメッセージを受信してくれますように。そして数百光年離れた彼方の星で、滅んでしまった世界の美しい文化を想いオナニーに励む僕らのことを少しでも知って貰えたら嬉しい。
 僕の話は以上だ。次の間氷期に向けてそろそろ眠らなくては。
 おやすみ。親愛なる人類諸君。(了)

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