ガス状星雲を混ぜてつくられた糖蜜に
赤や白や黄色をしたざらめの星が爆発した
それらの矮星は子供たちの口のなかの宇宙で攪拌され
舌先でねぶられざくざくした砂糖片として咀嚼されて
喉奥で一生を終える運命なのだが
なかには気骨に富んだ反抗心を具有するやつがおり
子供たちが菓子袋を逆さまにした際にひときわ高く弾けて
自らの道を切り開こうと企んだりする
そうしたこがねの精神の持ち主が われわれの中にも少なからずおり
彼らの輝くざらめの太陽が 道すじとなって
今宵もまた天道を真っ赤に燃えながら駈けてゆく